日曜日の昼下がり。
あの人と私は、恋人気分で昼間のデートを楽しんだ。
こんなところ知り合いに見られたら、言い訳効かないなって。
あの人が言うから。
私は、つないだ手に力を込めた。
握り返してくれたことに、意味はあるの?
よく分からない。
とても楽しかったのは、あの人も同じだったみたい。
「言っちゃいけないけど・・・アイシテル、よ」
別れた夫は、付き合って3ヶ月でそう言ったっけ。
まさか、あの人から、そのことばを聞くとは思ってもみなかったから、驚いた。
愛してるって・・・。
言葉は重い。
私も愛してる。
いや、恋してるって言ったほうがいいのかな。
それって陽一郎さんへの想いとは、まったく別なのだ。
ふたり同じ条件で、どちらか選べと言われたら、私はあの人を取るだろう。
陽一郎さんへの想いは、たぶん執着なんだろうな。
2011年04月
2度目は無理
自分のことがここまで理解できないことって、今までになかったかもしれない。
私は、ここにきて・・・
陽一郎さんとちゃんとした付き合いを始めた。
ちゃんとしたっていうのは、気持ちの上でってこと。
今までずっと、私たちは「付き合っていない」というスタンスできた。
それで心の均衡を保っていたのだ。
「付き合っていない」ってことは、別れることもないってこと。
私が、陽一郎さんに言ったのは・・・
2度目の別れには、私はもう耐えられないってこと。
心の底から、そんなの無理だって思ったから、正直に伝えた。
陽一郎さんは、この先も離婚することはない。
けっして、私の家族にはなれない人。
それが前提なのに、もう別れないって言っている私も到底理解不能だけど。
私の男関係を思い出すたび、勝手に怒って・・・
もう会わないなんて吐き捨てるように言ってしまう、陽一郎さんもどうかしてる。
言葉だけでも、かなりショック。
陽一郎さんだって疲弊するはず。
一緒にいると楽しいけれど。
それって、砂上の楼閣みたいなもの?
私は、陽一郎さんに、もう裏切るようなことはしないって言いながら。
ときに陽一郎さんのために、ホンモノの涙を流すくせに。
いまだ、あの人とも別れられないでいるのだ。
そのことが一番理解不能。
週末はときどきいなくなってしまう陽一郎さんだから?
私が望むもの、それって気持ちじゃなかったのか?
結局、紙切れにこだわっているってこと?
自分の行動に説明がつかないまま。
とにかく、時間だけは過ぎていく。