また、進むべき道を見失ってしまった。 陽一郎さんと離れてもう4年、何度も誘われていたけど、私はずっと乗らなかった。 今の彼を愛していたから、操を立てていたのもあるし、陽一郎さんと会うと心がざわざわするのがわかっていたから。 でも、どうしてだろう。 誕生日に温泉に行こうという誘いに、私はほいほい出かけてしまったのだ。 当然のごとく、現地集合なわけだけど、新宿から高速バスに乗っても、私はちっとも乗り気じゃなかった。 自分の中で、あれこれ言い訳を探していた。私が今向かっているのは、たんに温泉に行きたいからであって、陽一郎さんに会いたいわけじゃないと。 本当にそう思っていた。 久しぶりに会う陽一郎さんは、見た目はまったく変わってなかった。 少しぎこちない会話と、なんだろうこれ。すごい違和感。 陽一郎さんがすごく緊張しているのが伝わる。 こんなこと今までなかったかもしれない。 いつも自信まんまんなのに。 その夜、私たちは、すごく久しぶりにセックスして、朝まで一つのベッドにいた。 離れてから過去、陽一郎さんの部屋で一回、出張先のホテル一回、二人きりになってしまう機会があったのだけど、そのときは2回とも逃げ帰ることができた。 帰り道、泣きそうになりながらも、逃げ切ったのに。 今回は、自分から帰れない場所に出向いて行ったのだから、私にもその気があったんだろうと思う。 今の彼と一緒にいて幸せなのに、どうしてこういうことをしてしまうのか。 自分で自分がよくわからない。 いや、そうじゃない分かっているんだけど、認めたくないだけか。 幸せに慣れてくると、自分から壊しにかかるみたい。 また、始まってしまった。